【番外編】 明確な制約が柔軟な対応を生む

Aug 25, 2023

ブレグジットが国民投票で可決された2016年6月23日からの1週間、英国外務省は各方面への対応に追われ機能不全に陥りました。同年8月5日にマッキニーロジャーズが主催した第25回駐日英国大使館セミナーでヒッチンズ大使は、
「いつも必要以上に口出ししてくる本国外務省が、あの1週間はこちらからの問いかけにすら反応しなくなりました。しかも、その間に経験した事のない数のメディア取材を申し込まれたのです」
と打ち明けてくれました。
「どのように対応したのですか?」
と尋ねると、
「Mission Leadership®の『自由と制約』そのものでしたよ。私が確認した制約は、①具体的プロセスは何も決まっていない、②日本と英国の良好な関係は変わらない、の2点です。これだけを念頭に全てのインタビューに臨機応変に答えたのです」
とのことでした。ヒッチンズ大使は父上が海軍中将だった事もあり、歴代大使の中でも特にMission Leadership®を深く理解されている方でした。