201. 忖度は悪か?

8.権限委譲 Dec 12, 2025

「上官の意図を先回りして理解する(Anticipate the commander’s intent)ことは、Mission Leadership®の中核コンセプトだ」と、元英国海兵隊将校ダミアン・マッキニーは言う。
上官と合意するのは「何をやるか、何故やるか」というミッションだけだ。この二つの上に組織の戦略ビジョンがある。3つを理解し自律的に動く事で、「組織の連動」と「各チームの自由度」という一見矛盾する二つを両立できる。
Intent を理解した自律行動は、“命令に従う”ことではなく、“戦略に沿って判断する”ことだからだ。

森友問題をきっかけに、日本社会では「忖度」が悪い意味で使われている。忖度本来の意味に沿った「上司の意図を察すること」の重要性が失われつつある。
問題なのは「上司の機嫌を取るための迎合」であって、「組織の目的達成のために意図を先読みする行動」は、強い企業の必須要件だ。上司や会社の意図を読まない社員は、暴走か指示待ちのどちらかになってしまう。
上司の側から見ても、古今東西、成果を出すリーダーは、チームに「何をやるのか」「何故やるのか」を理解させている。

組織の意図を理解して自律行動する社員は成果を生む。
組織の意図を理解させ自律行動させる上司は成果を生む。

 

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